会社サイトの工事実績や導入事例のページが、何年も前の案件のまま止まっていることは少なくありません。
現場では新しい施工や納品が続いていても、サイトの一覧が公開当初のままであれば、訪問者はその内容を「いまの仕事」として受け取ります。
こうした状況は建設・リフォーム・設備業に限らず、機械、ソフトウェア、研修、店舗改装など、事例ページを持つ小規模な会社に共通して見られます。
本記事では、実績・事例が古いまま残ることで起きるずれと、「残す・差し替える・外す」の判断基準、見直しの具体的な手順を整理します。
結論|古い実績は「残す・差し替える・外す」に分けて見直す
工事実績・導入事例の更新は、新しい事例を1件追加すれば済むものではありません。
まず既存の事例を「残す」「差し替える」「外す」の3つに分け、そのうえで社内の正本、写真や名称の掲載許諾、サイト内の掲載場所を順に確認していくのが確実な進め方です。
実績・事例ページで大切なのは、件数の多さよりも訪問者がいまの仕事内容を正しく読み取れることです。古い事例も、年や対象を明記すれば過去の実績として十分に活用できます。
実績・事例が古いと、いまの仕事と別物に読まれる
工事実績や導入事例は、会社の「現在の強み」を示す材料として読まれます。
訪問者は社内の案件台帳を見ることができないため、サイトに掲載されている事例だけを手がかりに、この会社がいまもこうした仕事をしているかどうかを判断します。
実際には扱う工種や製品、対応エリア、得意とする規模が変わっているのに、サイトの一覧だけが公開当初の並びのまま、というケースは珍しくありません。
よく見られるのは次のような状態です。
- 主力だったリフォームの事例ばかりで、現在増えている設備工事の事例が掲載されていない
- 導入事例に記載された製品名やバージョンが、現在提供しているものと異なる
- 施工年の記載がない写真が並び、いつ頃の仕事か判断できない
- お客様名や現場写真を掲載しているが、許諾の記録が社内に残っていない
- トップページの「最新実績」欄が古く、事例一覧ページはさらに古い
この状態が続くと、問い合わせの前提がずれやすくなります。
現在は対応していない内容で見積もり依頼が届く、あるいは「事例が更新されていない会社」と判断されて比較検討の早い段階で候補から外れる、といったすれ違いが起こりえます。
経営者や担当者は「実績は十分にある」と考えていても、サイトを見た人だけが何年も前の工事内容を前提に話を始める、ということがあります。意図的に放置しているわけではなく、現場の仕事が進む一方で、サイトの一覧だけが更新されずに残っているという構造上のずれです。
見直しの前に「残す・差し替える・外す」を分ける
直し方を決める前に、既存の事例を3つに分類しておくと作業の方向性が明確になります。
古い事例であること自体が問題なのではなく、読み手が「いつの、どのような仕事か」を判断できないことが問題です。
| 分類 | 判断の基準 | 対応の方向 |
|---|---|---|
| 残す | 施工年・工種・対象が明確か | 年やラベルを追記し、過去の実績として読める形にする |
| 差し替える | 現在見せたい主力の仕事は何か | 同じ枠・同じ件数の範囲で新しい事例に入れ替える |
| 外す | 現在は扱っていない内容か、許諾が曖昧か | 一覧、トップの枠、検索から開かれる個別ページから外す |
「残す」と「差し替える」が混ざると、写真は古いままタイトルだけが新しい、といった中途半端な状態になりがちです。
また「外す」は削除そのものが目的ではなく、問い合わせの前提をずらさないための整理と考えると判断しやすくなります。
店舗を持たない会社やソフトウェア・研修の事業者でも、導入事例の製品名や支援範囲が変わっているなら、同じ3つの分類で整理できます。
分類を終えた段階で、古いものを残しすぎているのか、新しいものを追加できていないのか、掲載を控えたいものが残っているのかが見えるため、事例ページを全面的に作り直す必要は小さくなります。
見直しの手順|正本・許諾・掲載場所の順に進める
同じ実績は、事例一覧だけでなく、トップページの最新実績欄、カテゴリ別のギャラリー、会社案内のPDF、営業用の提案資料など、複数の場所に掲載されていることがあります。
一か所だけを新しくしても、ほかが古いままでは、どれが現在の仕事なのか読み手には判断できません。見直しは次の3段階で進めます。
「現在サイトに掲載してよい実績・事例」を短い一覧にまとめます。項目は、社外向けの案件名、年、工種や製品、残す・差し替える・外すの区分程度で十分です。
表計算ソフトのメモでも構いません。先に一覧として言語化しておくと、サイトへの反映は単純な作業になります。
現場写真、お客様名、ロゴ、導入後の数値などは、掲載の取り決めが残っていないと後からトラブルにつながりやすい情報です。
新しい事例を追加する前に、写真の使用可否、お客様名の表記の有無、公開範囲を正本の横に一文で記録しておきます。許諾が曖昧なものは、差し替えより先に「外す」側で扱うのが安全です。
正本と異なる並びが残っていないかを、事例一覧、トップの最新実績欄、カテゴリページ、埋め込みのギャラリーで確認します。
個別の事例ページが検索結果やブックマークから開かれる場合は、そのページにも年の追記や非公開化を反映します。会社案内PDFや提案資料に同じ事例があれば、あわせて更新対象に含めます。
見直しの際に注意したい点
実績・事例の見直しは、一度に完璧を目指すと作業が止まりやすくなります。次の点を意識しておくと、無理なく進めやすくなります。
- 最初から全件の棚卸しを目指さず、問い合わせで「サイトのこの事例を見た」と言及された事例から優先して手を付ける
- 写真や名称の許諾が確認できない事例は、新しい事例の追加より先に掲載を控える
- サイトだけを更新し、会社案内PDFや提案資料が古いまま残っていないかを確認する
- 「最新実績」と表示する欄には直近の案件を置き、更新が難しい場合は欄の名称そのものを見直す
更新を継続するには、運用の仕組みづくりも欠かせません。
新しい現場や案件が完了するたびに、担当者一人が「残す・差し替える・外す」のいずれかを決める習慣をつけておくと、繁忙期を経ても同じずれが起きにくくなります。
よくある質問
工事実績・導入事例の見直しについて、事業者の方から寄せられやすい疑問をまとめました。
まとめ
工事実績と導入事例は、会社の仕事内容を示す見本として読まれます。現場の仕事が進んでいても、サイトの一覧が古いままであれば、訪問者はその内容を前提に判断します。
見直しの要点は次の3つです。
- 既存の事例を「残す・差し替える・外す」の3つに分ける
- 社内の正本を決め、写真や名称の掲載許諾を確認する
- 事例一覧だけでなく、トップの枠や配付資料も含めて掲載場所を洗い出す
すべてを一度に整える必要はありません。次に現場が一段落する予定があれば、写真を撮るのと同じ日に、一覧の先頭にどの事例を置くかを決めるところから始めてみてください。
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